MAMALAID RAG

3月には新曲の発表が決まった日本の伝統的ポップマエストロ:MAMALAID RAG 最新ロングインタビュー!!

※コチラのインタビューは2011年3月11日に公開されたインタビューになります。

Interviewer. 遠藤博美(SIDEMILITIA.inc代表)
interview. 田中拡邦(Vo./Gt.)
MAMALAID RAG Official Web Site:http://www.mamarag.com/Top.html.jp/




『 MAMALAID RAG × COLOUR SCENE 』

2016年10月14日(金)
会場 : 新潟GOLDENPIGS(YELLOWSTAGE:3F)

SPECIAL GUEST LIVE : MAMALAID RAG

LIVE. DISKHAOS

DJ. HIROMI ENDO / YUKI EGUCHI(COLOUR SCENE)

OPEN&START:21:00〜

フード持ち込み自由

PROVEN 025−229−3266 / FUNNYSWEET 025−229−1226 / GOLDEN PIGS 025−201−9981



兎に角、僕は緊張しています…(笑)

聞き返すと、恥ずかしくなる位に1問目と2問目の質問部分は堅い声です。インタビュー場所に向かう時の時点で『ヤバいなぁ』って雰囲気だったのですが、案の定でした。

しかしながら2問目の返答を頂いている時からやっと僕の真意を田中さんに理解してもらえたのか、いつも通りの雰囲気に戻って一安心です。まぁいきなり赤いライダースの「ポップス感ゼロ」の男が現れたら、怪しむに決まってますよね(苦笑)

今回も読み応えのある内容になったと自負しております。トータルで1時間を超える、異様に汗をかいて頑張ったロングインタビューを是非どうぞ。



HIROMI
僕はファーストアルバムから聴かせて頂いております。遂にインタビューさせて貰える事になりました。本当に嬉しいです!!

実は最初、電話でのインタビューの予定でしたが、質問内容を考えると直接お話させて貰った方が良いと判断し、東京に来ちゃいました(笑顔)

「意味の有る」会話らしいインタビューになる様に頑張りますので、本日は宜しくお願い致します。

最近観たライヴで<斉藤和義さん>がありました。あの方も<MAMALAID RAG>同様に、バンド形体では無くソロアーティストで有ります。

でも共に、他のバンド形体の人達よりも「リアルなバンドサウンド」している事に気付きます。ちょっと矛盾しているのですが(苦笑)、先ずコレについて、どう思いますか?


※…<MAMALAID RAG>は当初3人編成でしたが、現在は1人で活動しております。


田中
う~ん…それぞれ「スタイル」ってあると思うんですけど…その「反動」っていうのもあるんじゃないでしょうかね?

元々僕もバンド編成だった訳で、バンドではないデメリットは多々有る訳で…

セッションミュージシャンやサポートメンバーとライヴをする上で、サポート感をいかに消すか?/一体感をいかに表現するか?って部分は神経質になりますけどね。

それが表面的にでてくるのかもしれないですね…はい。



HIROMI
そうですよね。バンドの形式でないと、相談だったり頼る事は勿論、ライヴですら簡単には出来ないデメリットが有りますよね。

しかしながら今欲しい理想の音は、好みのアーティストにお願いさえすれば制作しやすい/ライブでの再現もしやすいメリットも有ります。

今、僕の会社も2人で動いています。理由は「軽はずみな理由で覚悟が無い人」を入れても意味が無いからです。

余計に仕事が増えるだけだし、別の道に進んだ元スタッフ達にも申し訳ないとも思います。

休みが無く苦労も増えますが、まぁ仕様が無いです(笑)

田中さんの今の考えを教えて貰えますか?



田中
う~ん…まぁ、先程も言ったのですが一人になると色々な「魅力的な部分」が失われる事が多々あるので。

バンドっていうのはメンバーそれぞれの個性…ベースが誰で、ドラムが誰でっていう、見てる側の楽しさが一切消えてしまう訳で。

サポートだと毎回同じ人って訳にも、その人のスケジュールの都合も有りますし、『今度は違う人かぁ』と誰だか分からないというデメリットもあったりするので、とにかくみんなを活かしながら、バンドよりもバンドらしくって部分は気を付けている部分なんですけど…

でも、どうしても<サポートミュージシャン>として参加してもらう訳なんで、付きっきりで僕の音楽の為だけに活動している訳ではないですし、リハーサルの時間も限られているので…なかなか他のバンドの様にスムーズにはいかないですけど。

逆に今のスタイルになって何が大事か?といえば、楽曲のクオリティー自体が「より重要」になってくるんですよ。

『誰が演奏したとしても良い音楽ですよ』って伝わる様にしていかなければいけない事になっていくので。

そうなると僕自身の問題になってくるっていう…

「作曲と作詞とヴォーカル」っていう本来自分にとっては「一番大事な部分」が浮き彫り(to become distinct)になってくると。

まぁ…厳しい状況に置かれる立場になるとは思うんですね。

そこで僕は「闘っている」というか…さっきの話で<バンドよりも一人ユニットの方がバンドサウンドらしい>っていう事をおっしゃってましたけど、一つには最近のバンドがあんまりバンドっぽいサウンドを出していない部分も関係しているんじゃないかと思うんですけどね。

最近の子達と…僕よりも歳下の…だんだん最近は僕よりも歳下のバンドが増えてきて、聴いたり/一緒にライヴをしたりすると良くいえば本当に…良く(上手く)出来ていて…バンドらしい “雑さ”とか “はみ出したとこ”とか “ガチャガチャしたとこ”とかが一切無くて、

もう…なんて言うのかな…多分、今の時代がミュージシャンをそうさせていると思うんですけど、「売れないとやっていけない」「ちょっと売れただけじゃ、やっていけない」「本当に売れないと続けられない」という音楽界の状況がそうさせているんじゃないかと思うんですけど。

非常に「POP」な作りというか…悪い言い方/極端な言い方をすればバンドで歌謡曲をやっている感覚の印象を持ちますね…

良く言えば「商業的に良く作られている」…『これならプロデューサーが要らないね』って思うクオリティーの高さにビックリする事も有るんですけど、やはり反面は『バンドなんだから、もっと“やんちゃ”にロックやろうよ!』っていうような印象を受ける時も有りますね。


HIROMI
そうですね。おっしゃる通りに<ロックンロール>にも色々なタイプが有りますけど…「メロディーの魅力」もそうですが、わりと「反動」だったり「天の邪鬼/勢い」の部分が結成する段階での大事な部分だと僕は思うんですけど、その…何て言うのかな?

「直ぐに諦める部分」が躊躇に感じ易くなっているんですよ…『売れなかったら、仕様が無いや。辞めて働けば良いかな?』っていう最初からそんなに「売れる貪欲さ」が無いといったら良いのでしょうか。

こう…夢見がちで暴走するって僕もデビューはしてないけど、バンドを始めた時にそう感じていたし。

あとライヴハウスに行くと思うのが、昔って危険な雰囲気や怪しい雰囲気って有りましたけど、今って学園祭の延長の様な雰囲気が有るし(笑)

真面目で羽目を外す人も見かけないし…。確かにおっしゃっている通りに、時代がそうさせているのかもしれないですしね。

演奏している側としては、<MAMALAID RAG>の歴史も長いですが、時代時代でステージ上から<MAMALAID RAG>のオーディエンスの変化を感じていたりするのですか?



田中
まぁ、そうですねぇ…それは有りますね。

僕らはわりと新しいお客さんが来る事が…まぁ皆さんもそうかも知れないですけど、そう感じる事が多く有るんですけど。

ときどきによって、デビュー当時と、2004~5年頃と、今の状況は、雰囲気が全然違いますけどね。

ただ…先程の続きで「世の中の状況」いや今の日本の経済的状況が…世の中の経済の状況が音楽と密接に結びついている…と俺は思っているのですけど、

音楽って食べるモノみたいに生きていくのに絶対必要なモノでは無いので、やっぱり余力から出てくる余裕…言い換えれば「お金の余裕」から出てくるモノだったりするんで。

今はもう「本当に欲しいものしか買えない」みたいな。ちょっと気になったからって「ジャケ買い」は出来ない時代ですよね。

本当に考え抜いて、試聴して、絶対にこれは「一家に一枚」みたいなのだけ購入する!みたいな…



HIROMI
はいはい(微笑)そうですね、確実に。



田中
そうですよね(微笑)だから売れる人は『ポーンッ♪』て凄い売れ方をするけど、売れない人は本当に売れなくて、中間層の売上バンドがいない状況なので、面白い事が本当にやり難い状況だと思うんですよね。



HIROMI
海外は別ですけど、ライヴも同じ感覚なんでしょうね。



田中
だと思いますねぇ。ライヴに足を運ぶのも…そういう事なんだと思いますね。






HIROMI
先ずは、物事を深く追求すると一般的には「マニアックな方向」に進む事になります。

<MAMALAID RAG>に関しては、本人の意思に関係無く「マニアックなアーティスト」と、多くの方に捉えられていると思います(笑)

新作(3枚目のフルアルバム)を聴くと明らかに自由だし広がっていて、楽しい楽曲だと思うのです。

アルバムが3枚目ともなると、世間のイメージする「MAMALAID RAG像」と自分の心情とのずれだったりは感じませんか?又、それに対して「どのように付き合い/対処」していたりしますか?



田中
でもやっぱり、なんでしょうかね?僕らはファーストアルバムの印象が未だに強いみたいで(微笑)…<喫茶系>というか…(苦笑)


HIROMI
一時期、有りましたね!その名称というか括りが。当時から『何だそりゃ?』って思ってましたけど…(笑)



田中
ええ。<喫茶ロック>っていうアルバムに収録されたのが「きっかけ」で…それで知れ渡ったのも有ったので。あと、歌詞に<コーヒー>とか<紅茶>とか書いているんで、<カフェ・ミュージック>とか(微笑)



HIROMI
はいはい(微笑)



田中
<Bossa Nova>的なちょっとお洒落な事をすると、それがやっぱり…リスナーの人はお客さんなので「製品のパッケージ」と一緒で、周りがきちんと包装されているものが製品として通用するというか。

音楽もそういう風に、周りのデコレーション(※…楽曲のアレンジって事です。素敵な表現ですね)を<Bossa Nova>みたいにお洒落と思われている様にすると、喜ばれるし伝わり易かったりしますしね。

ファーストアルバムが、そういう「お洒落に/凝っている」テイストのアレンジになっていたので、そういう印象が未だに皆さん“お強い”のか?(微笑)…そういうイメージでずっと続いているのかなと。

ただ、やっている側としては「同じ事をずっと出来ないタイプのアーティスト」…僕がそうなので、1~2~3枚目と全く違うテイストのアルバムになっていると思うんですけど。

そこの「違和感」っていうのは…ある時に関しては周りの人に言われたりして「気になった時」も有りましたが。

というのもファーストの次にリリースした<ミニ・アルバム>(※…2003年リリース:きみの瞳の中に)の時に、『ファーストと同じ事をやれば良かったのにねぇ』とかをレコード会社の人によく言われましたね。



HIROMI
あぁ。商業的思考で考えたら、よく有りえる話だと思いますね。



田中
『なんで余計な/違う事をするの?』って言われたりしたんですけど、その時は気になったり自分でもしたんですけど、今となっては…何て言うんですかね…自分のイメージ。

言ってみれば自分のブランド的な質感や音楽性とかを貫いてみんなに聴いて貰おうっていうよりかは、もっと普遍的なものを追求している…し始めたのが3rdアルバムなんですよね。

だからその部分は必ず伝わるんじゃないかな?って気がしていて、今までのファンの方達もそうですけれども、わりと今の僕が向いている方向が、知らない人…

いやもっと大きく言えば音楽マニアじゃない女の子に『あっこの曲は良い曲ね!』とか、お母さん世代…お婆ちゃん世代、お爺さん世代の人達が『あの曲良いね/良いわねぇ』って言って貰えるのが僕の目指している方向性な訳で、「イメージうんぬん」も勿論、大事だと思いますが、

もっと上の視点に行っているというか、普遍的な意味で『良い曲だね』って言われる様な…

『良い感じだね!』では無くて『良い曲だね!』って言われたい!っていう方向性になってはいますね。



HIROMI
なるほど!!凄い分かり易いニュアンスだと思います。

「感じ」では無く「曲」って事ですね!



田中
はい、そうですね。



※途中感想…ここは凄い興奮しました。「感じ」では無くて「曲」。言い換えれば「MAMALAID RAG」では無くて「オリジナルの楽曲」って事とも捉えられます。
もうこれは極致の考えだと思うし、我が強いからこそ、自分(アーティストとしての証明)を消し去ってまで、フォーカスを楽曲に集中できる状態って事とも取れます。だからこそこの雰囲気なんだろうし、このオーラを感じるんだと納得出来た瞬間でした。



HIROMI
僕も自分で会社を立ち上げて10年を過ぎました。

田中さんも現在は、「レーベルオーナー」になった訳ですが、だからこそ音楽業界の不思議な事。言い換えてみれば『ちょっとこのシステムはオカシクないか?』と気付いた事や、逆に制作意欲に拘る位の「新たな楽しさ」って見つけたりしましたか?



田中
う~ん…まぁ、難しいんですけど…僕もその<ALDENTE ENTERPRISE>という組織を創って、活動をしている訳なんですけど、

日本の音楽業界は変わっていて、レコード会社は世界中の何処でも一緒ですけど事務所って形態が先に立つ社会なんですよね。

事務所がまず先で「アーティストを雇う」っていう順番なんですよ。つまりアーティストがややもすれば一般社員であるかのような…



HIROMI
フフフ…はい(微笑)



田中
よくニュースで、芸能人の方が『所属事務所に解雇された!』と報道が有りますけど、アレを観ると僕は凄い違和感を感じてて、『解雇って感覚なんだぁ~』っていう…社員なんですよね、ようするに。

「養ってあげている感覚」というか。実際はタレントさん、つまり才能を持っている人が自身の力で稼いている訳で…海外のミュージシャンは逆にアーティスト自身がマネージャーをチョイスして雇う訳ですよね。

最初はミュージシャンだけでアマチュアとしてスタートし、レコード会社と契約を結びつけてから「その契約金」で優れたマネージャーを選ぶ訳ですね。

僕はその方が順当の様な…クビにするならミュージシャンがマネージャーをクビにするっていう(微笑)事なんでしょうけど。

日本の音楽業界も、わりと「普通の会社」と同じ様な……そこから抜け出せたって事が一番変化が大きいというか、普通にCDをリリースするなら色んな会社とやり取りをすれば良いだけなんで、上から…つまり上司(レコード会社の方)から「やんや やんや」と言われなる事は無いですから…



HIROMI
つまり『~の様な音源を創って欲しい』とか『こういう音楽を世間は求めるいるから創って欲しい』とかですよね?



田中
その通りですね。ただ、そういう商業的な要求はどこでも有ると思いますけどね。

まぁそれが無くなったのは大きいですけど、今は自分でその点を管理しなくてはならない訳で、「誰にも言われないから、自分の好きなのだけ創っている」訳にもいかないので、マーケティングというかどういうモノを求められているか?は考えなきゃいけなくなる。

でも全体としてみれば会社員じゃないので会社員の様な変な気をつかったり、付き合いが有ったり、何も音楽の事を分からないオジさんが余計な事を言い出して、企画が全部ひっくり返ったりとか…


HIROMI
クックックック(笑)



田中
そういう事は一切無くなったので(微笑)。それがとにかく「やり易い」です。



HIROMI
分かりました。僕も自分の活動ですと「こだわり」は有ります。

田中さんにとっては、ミュージシャンとして『これだけはしたくない!/格好悪いなぁ…』と思うのはどんな事が有りますか?例えば売れているアーティストだからといって誰とでも共演する気は無いとか?(微笑)



田中
まぁ…余り拘りは無い方ですが、しいて言えば<芸能バンド>は嫌いです。

芸能人なのか?ミュージシャンなのか?区別がつかない人が、たまに居るんですよ。



HIROMI
居ますね、今も(微笑)



田中
決して批判する訳では無いですけど、自分はなりたくないなぁと思います。



HIROMI
あの立ち位置が恐い…というか嫌だなって事ですか?(微笑)



田中
いやいや、そうでは無く『自分はやるべきではないなぁ』と。批判するつもりは無く(微笑)



HIROMI
では意地悪な質問では無いのですが、現代って本当に多いじゃないですか?バンドやソロでも良いですけど、音楽やってバラエティーにも出ている様な方って。

まぁ大体そういう方って『本当は音楽がしたくてこの世界に入った』的な発言しますけど。

アダルト業界関連系の女優さんも似た様な発言が有りますよね(微笑)。

話は戻りますがそういったバンド・アーティストとの「ライヴ共演」のオファーがきたとしたら、どうします?



田中
それは「お受け」しますけどね。 ただ、まぁ自分が線を置きたいってだけですね(微笑)



HIROMI
もし僕が<MAMALAID RAG>だったとすると、共演するバンドを凄い意識をすると思うんですよ。

『このバンドは自分のサウンドと違い過ぎるなぁ』『近い様に聴こえるかも知れないけど、全然違うんだよね』とか、凄いナーヴァスに(微笑)

そういうのは無いんですか?その辺はフラット/自由な感覚なんですか?



田中
その辺は…諦めがあるんですよ。


HIROMI
諦め?



田中
例えば、『対バンはどういったバンドとやりたいですか?』とマネージャーによく聞かれるんですけど、今までのレコード会社の方/事務所の方にも幾度となく聞かれ続けたんですけど『答えられない』んですよね。

その…自分達のバンドに近いのは誰?って聞かれても、僕としてはそういうアーティストは余りいないと思っていまして…僕と同じ様な事をしている人って意味で。周りから見て同じカテゴリーに括る様なアーティストで、よく言われるのが<キリンジ>さんとか…ですね。

ようは……あっち系の人達ですよね。



HIROMI
あぁ、確かに。ようは『日本語でマニアックな年配の方も頷く様な音楽性で…』って意味ですよね。



田中
そうです、そうです。同じジャンルで有るって考えですよね。でも僕は全く違うんじゃないかなと思うんですよね。

だからそこで「世間とのギャップ」が有るから諦めているんです。

余り…『どうせ誰と共演しても違うから』という視点で考えているので、『消去法』と言うと失礼になりますけど『これはどう考えても無理だね!』『それは全く違うよね!』っていう…例えば<HEAVY METAL>の方とか、極端に言ったらですけど。それ以外であればフォークの方でもロックの方でもポップスの方でも共演するスタンスで考えてますけどね。



HIROMI
(その極端な事をDJとして選曲をしているのが僕なんですが…笑)

うん、分かりました。

今年(2010年)、今までしたこと無かった新しい体験など有りますか?又、何気なく嬉しかった事柄や出来事を、インスピレーションで浮かぶ程度で結構なので教えて下さい。(笑)因みに僕は<iTunesストア>でコンピレーションアルバムを2枚リリースして、完全な奇跡で1位を獲得した事です。



田中
そうですね…新鮮と言えば去年もおこなったのですけど、今年の8月の終わりだったかなぁ…1年振りに断食を一週間程した事ですかね。






HIROMI
はい、何かで見た事が有ります。断食の件は。



田中
一週間経つと「ナチュラルハイ」の状態になるんですよ。そうすると普通の「光」がもう気持ち良くなるんですよ。



HIROMI
太陽の光って事ですか?



田中
いや、「夜の街灯」や「夜の街の夜景」が身体に染み込んでくる様な…気持ち良いんですよ!


HIROMI
マジですか!(笑顔)憶えているんですが、終わった後の今でもその感覚を?



田中
憶えています。気持ち良いんですよ。ハイで『凄い!凄い!』って感じで街を歩くんですけど。

一週間経った後の通常の生活に戻っても、一週間くらいはその状態が続くんですけど。

見るもの、聴くもの、やる事、考える事の全てが楽しく感じるんですよね。



HIROMI
感性が「ピュアに戻る」って感じに近いんですか?



田中
まぁ…言い換えればそれに近いですけど…



HIROMI
なら、より深く感覚に入ってくるって感じですか?



田中
いや、僕がしているのは…基本「断食」は皆さんが連想するのって「西洋の断食」になると思うんですけど。アラブとかあちらの断食ですよね。

あれは1日飲まず食わずを2~3日続けるってやつですが…だから「隠れて食べる人」も多いらしいですけど(微笑)

それとは違って僕は「東洋の断食」をしているんですけど、東洋の場合は玄米だけに固執するって考えなんです。

1日を「玄米」と無農薬の「三年番茶」(茶葉をねかして熟成させて焙じたもの。茶葉が熟成していて味がまろやかになり旨味がでてくる。通常のお茶よりカフェインが少ない)をコップ1杯だけ。

これを一週間続けるんです。



HIROMI
簡単にいえば「玄米のご飯」を朝昼晩1膳ずつ。そして水分はコップ1杯の番茶だけって事ですか?



田中
はい、そうです。昔の「禅の修行」みたいなものなんですが。

それをやる事によって、さっきの話に戻りますが「ピュア」とも言えるんですけど、ようするに人間の本来の状態/日本人の本来の状態になるんですよね…ニュートラルな状態になるんです。


HIROMI
なら、「戻る」って表現が一番近いんですかね?



田中
本来、人間は何を見ても感化されるし、朝起きて朝日を見たら『うわぁ!朝日が最高に気持ち良い!今日は何をしようか!』っていうのが、人間の本来の形だと思うんですよね。

で、断食でその感覚になってビックリするって事は「普段はそうではない」って事で、現代の人間はやっぱり感覚が曇っている/フィルターがかかっている状態だと。感覚が鈍っているんですよね。

朝起きても胃がムカムカしている状態で、眠くて目が覚めないし、会社に行きたくないって人が多いと思うんですけど、それは非常に不健康で本来の姿とはいえない状態な訳ですよね。

それをニュートラルに戻す行為なんですけど、去年もそうでしたけど断食する度に新鮮というか…あの…ありふれた言葉ですが生きるって素晴らしいって感覚になります。



HIROMI
これを読んでいる人って「断食」に凄い興味を持つと思うんですよ。

僕もそうですけど、可成りの「断食プロモーション」になっていると思います(微笑)

で、確かに大半の人が『朝はダルいなぁ~』って言ってると思います。一般的に僕のような好きな事を仕事としている人でもそう思うので(微笑)

で、実際すると結構シンドイですか?精神的にもヘヴィーな人じゃないと厳しいそうですか?



田中
(暫く考える)大体、1~2日までは…何が一番キツいかといったら「水分」が厳しいんですよ。



HIROMI
あぁ!1日で番茶が1杯だけですもんね。ボクサーマンガの減量シーンと一緒か(笑)



田中
食べ物の玄米は基本的によく咬めば好きなだけ食べても良い…なるべく適量が良いんですけどね。

ただ、お腹が空いてくるんで。よく咬むと言うのは『一口で150回咬みなさい』って事らしいんですよ。

もう玄米が水になるまで。



HIROMI
ヤバいですね、その咬み回数は(微笑)



田中
それが大事な事なんですけど。なので咬むのであれば好きなだけ食べても良いんですけど、兎も角「水」がねぇ…番茶がコップ一杯なので「250ml」しか飲めないんですけど、それがキツくて。

最初の2日くらいは,今までの水分摂取が蓄積されているらしくて、余り苦に感じないんですよ。

だけど3日目くらいから、身体が干上がってくるんですよ(微笑)



HIROMI
ハイ、砂漠化ですね(笑)



田中
そうすると…厳しくなってきますよね(微笑)



HIROMI
もう凄い『飲みてぇ~!!』って感じですか?



田中
そうです、そうです!もう、お腹も空いているし「ラーメン」とかを想像しちゃうと…



HIROMI
アハハハハ(笑)



田中
堪らなくなります(微笑)。

でもまぁ…要は禅の修行と一緒で、最近流行の「お坊さん一週間体験ツアー」みたいなのに行くと、大体は何にも無い部屋に座禅を組まされて1時間毎に『~について考えなさい/考え続けなさい』と言われ放置されるという事があるらしいんですけど、それは何をしているかと言えば、断食をする事によって自分の身体に堪った老廃物を出す事に加えて、精神的な部分でも「思考を出し切る」と言えば良いのかな…考え尽くす事で浮かんでくる思考を出し切ってしまう。

最近これも流行っている「デトックス」(体内に溜まった毒素を排出させるという健康法)とかは、身体の面だけですけど、昔の仏教的な考え方では精神的には断食は効果が有るというか…。

水分を制限したりするのは理論的には身体の事を考えてという部分も有りますが、精神的に「辛い」という…我慢するという事で色んな事を頭で考えるんですよね。思い浮かんでは消えていくんですけど。

身体が危機的状況に陥る訳なんですよ。明らかに栄養失調になる訳ですからね。

そういった状況で人間は何を考えるか?っていう。そこでグッと頭の中で色んな思考を考え/出し尽くす…こういった事も大事だったりするんですよね。



HIROMI
何故かこの部分を長く話していますが(微笑)

細かな質問ですが、そのコップ1杯の番茶は1日に細かく分けて少しずつ飲んでも良いのですか?



田中
細かく分けた方が理想的ですね。朝に作って「がぶ飲み」したいけど後が辛いから、我慢してチビチビと残して飲む。

それだけですからね、水分は。






HIROMI
試せるかなぁ…?(微笑)何か過ごそうだけど。皆さんも是非興味が有ったら試してもらえればと思います。

僕は誰がなんと言おうとも<THE BEATLES>が大好きなんですね。もし<MAMALAID RAG>が<THE BEATLES>とライヴで共演する機会が与えられたとします(笑)

それで、THE BEATLES側から「3曲だけの演奏時間」を彼らに与えられたとします。

どの曲をチョイスしますか?曲順も踏まえて選曲してもらえますか?因みに日本と海外の含めた「全公演での選曲」ですよ。



田中
う~ん、難しいですねぇ…(微笑)



HIROMI
インスピレーションで結構ですよ。明日になればまた選曲が変わると思いますしね(微笑)



田中
まぁでもライヴで僕がメインとして演奏している曲はやはり決まっているので、1曲はアコースティックな曲が有った方が良いと思うんで、<ある冬の寒い朝/アルバム“SPRING MIST”に収録>で、フォークの曲から入って、<銀の爪/アルバム“MAMALAID RAG 2”に収録>でいっぱいギターソロを弾いて、

最後は<春雨道中/アルバム“MAMALAID RAG”に収録>って流れですかね。

※…偶然なのでしょうか?最新の3rdアルバムから1stアルバムに遡って行く順番です。



HIROMI
田中さんが最初におっしゃった様に、これはいつも演奏するナンバーなんですよね?

それってオーディエンス側の求めるからで無く、この曲はやっぱり必ずしなきゃな!って自身でも思っているのですか?今回のセレクトを含めての質問ですけど…



田中
大事なのは…僕の場合「曲のアレンジが複雑になっている」が多い…曲自体はシンプルですけどアレンジがわりと込み入った楽器を入れる事で成り立っているのが多いので、ライヴで演奏して上手くいく曲とはまた変わってくるんですよね。

レコードで良い感じに完成したからライヴでしよう!とはいかないんですよね。ライヴで上手くいく曲ってのは大体が決まってくるんですよね。

そういったセレクションでライヴで演奏する曲は決めていますけどね。



HIROMI
う~ん。



田中
「ライヴ栄えする」っていう表現が良いのかも知れませんね。



HIROMI
分かりました。

近年の音源やライヴを聴くと分かるのですが、田中さんの「声の持つ倍音」が気持ち良くて、新たに独特だと気付きました。『あー』とか『いー』とか単音を田中さんがヴィブラートせず歌う時とかなんて、ちょっと「トリップ」しそうになる位に気持ち良いです。

あとギターリストとして、凄い大好きになりました。

ライヴ盤のサウンドだと特になんですが、<街灯>の時なんてチョーキングの音が本当に凄いです。

楽曲としてでは無く、演奏面で…つまりギターサウンドで<ERIC CLAPTON>の一番好きな時代は80年代後期~90年代前期なんです。

アルバムでいったら<JOURNEYMAN>で、同時期のライヴアルバム<24 NIGHTS>の頃ですね。



田中
あぁ!(納得する表情です)



HIROMI
あの頃です。ヴィジュアルも凄い格好良いのですが、ギターサウンドが、特にチョーキング時のヴィブラートが本当に神懸かりというか…田中さんのギタープレイがそれと同様の「天にも昇る」気持ち良さなんですね。

案外、ギターに付いて語ってもらっているのが少ないので、ちょっとお話をお聞きしたいのですか?

大ざっぱになりますが、未だに凄い練習とかはするのですか?



田中
練習はしないです。うん。

それも<ERIC CLAPTON>と一緒ですね(微笑)



HIROMI
確かに(微笑)



田中
彼も言っているんですけど、基本的に怠け者だから「毎回1からやり直さないと」いけないくらい、普段は弾いてないのでライヴがある時は『ヤバいヤバい』と練習して、リハーサルで指を慣らしてって感じですね。



HIROMI
現在、ギターリストとして「良い感じ」ですか?

自身でも『成長してきたなぁ~』って思えていたりしますか?自分の求めるサウンドが完成してきた感じなのか、それとも昔から変わってない感じだったりするのですか?



田中
いや、流れで言えば僕は中学~高校時代の6年間に死ぬ程ギターを弾いたんですよ。家に居る時はずっとって言っても良い位に。ギターと一緒に寝ていたんで…。



HIROMI
弾きながら眠り落ちですか!(ビックリ声)



田中
はい。その時にテクニックの大半は会得してしまったんですよ。クラプトンの独特のヴィブラート奏法も含めて…。



HIROMI
…!!(興奮と驚きで言葉が出ないので頷くだけです:笑)



田中
アレを演奏出来る人は、僕は日本でも数人しか見た事ないんですけど…、

海外だと<TODD RUNDGREN>ができるんですけどね。

実際は普通のヴィブラートですと、こうやるんですけど…

(と言って此処でギター無しですが、目の前で手のニュアンスを実演してくれてます!!

ライヴを見ているみたいで、凄い感動してます、僕。細かく言えばギターネックに親指を添えて中指or人差し指で弦を上げる。

その状態で指先を横に揺らすのが通常でして、それを田中さんが今実演しています)



HIROMI
はいはい!!



田中
普通はこうやってヴィブラートをかける訳じゃないですか。でも、クラプトンは親指をネックから放してこうやるんですよ。

弦を横に揺らすのでは無く縦に揺らすんですね。

僕はこの「縦ヴィブラート」を僕は3年かけて練習して、ある日突然出来るようになったんですよ!






HIROMI
うわっ!!それは難しいですよねぇ(僕も以前はギターをしていたので、ビックリ顔!)



田中
難しいですね。あれは誰でもやれないと思います。



HIROMI
やれそうだけど、やれない。親指で支えてる「土台」が無くなるなんて、不安定ですもんね。



田中
出来ないですね、非常に不安定になるので。

それを含めて技術的な事は全てマスターしたのですけど…その後に変化が訪れたのが…えぇ~2003年位から、音色や器材に拘り始めたんですよね。

それまでは、本当にお粗末な…本当に器材に気を付けてなくて『如何に安いギターでも良い音を出せるか?』っていう「補整」だったんですけど、『そろそろ良い楽器を持った方が良い』と思い出したのがこの頃で、ヴィンテージの器材で今は全部揃えているんですけど。

そこから、その…非常に「豊かな音質」に変わっていったんですよね。奥行きがあって、味があって、表情がつけ易い。そういった場合になると今度は弾き方が変わってきたんですよね。

昔だと『♪♪♪♪♪♪』(音数が多いメロディーを表現してくれてます)って感じで弾かないと、音色が安っぽいので「保たなかった」のが、今は<B.B KING>の様に『♬~』(一つの音数でメロディーを表現してくれています)って弾いただけで『オォ~!!』っていえる様な…(笑顔)



HIROMI
はい!分かります。(僕はこんな話を聞けて、幸せ絶頂の顔をしていると思います)



田中
あれは音色(ねいろ)の問題なんですよ。音色(おんしょく)ですね。

そうなるとフレーズ自体が『♪♪♪♪♪♪』でなくとも『♬~♪♪~』だけでも、十分になってくるんですね。

だから昔よりも何ていうのですかねぇ…メロディアスなフレーズで大丈夫になって。

技を見せつける様なプレイではなくて、豊かなフレーズが必要に今になってきて(感じている)……それこそ、ある見方からすれば<ERIC CLAPTON>と同じ道を辿っている様な気がします。

彼も<CREAM>時代は、弾きまくっていた訳で。

その時代のクラプトンが最高だったって言っている人も多いのですけど、その後の「Wonderful Tonight:1977年」だと『トゥウトゥットゥ~ン♪トゥウトゥットゥ~ン♪』だけになって。



HIROMI
はい!(もう目の前で大好きなMAMALAID RAGのヴォーカリストでありギターリストが、大好きなクラプトンの名曲を口ずさんでくれる極上の瞬間…僕はウットリして溶ろけています)



田中
それを見たギターリストのある人達からは『ギターが下手になった』って言われるんですけど、あれは彼の「音楽的進歩」であって、音楽的にギターをどうアプローチさせるか?という感覚的な成長を遂げている訳で、僕も全く同じですね。

ギター単体の指の動きは中高時代に比べたら、それは動かなくなったかもしれないけど、楽曲に対してのギター演奏の仕方/当て方はどんどんと成長をしている。

今が一番いい状態だと思っています。



HIROMI
僕は読んだ事が無いのですが、ヴォーカリスト/作曲者の側面では無く「ギターリスト」の側面だけを質問されたりするのですか?今まで。



田中
あぁ。有りますね。



HIROMI
そうなんですね!僕が知らなかっただけで(微笑)



田中
<ギターマガジン>さんとかから。



HIROMI
なるほど。今度からチェックしますね。 では、<MAMALAID RAG>の楽曲のみを演奏する架空のカヴァーバンドメンバーを、各パートチョイスしてもらえますか?って質問が毎回好例ですけど、今回はそのギターリストとしての側面で考えたいので、ヴォーカルでも無く/作曲でも無く、純粋にギターリストとして参加するとしたら、どのグループ/バンドに参加してみたいですか?

あと、やっぱり<MAMALAID RAG>の楽曲を『この人達に演奏して貰いたい/そのバンドのヴァージョンを聴いてみたい』という2アーティストをピックアップしてもらっていいですか?



田中
実際にギターリストとして僕は<高野 寛>さんのバックを「サポート」としてやっていたりするんですけど、高野さんの楽曲をギターで弾くのは楽しいですね。

非常にこう…自分で言うのもなんですけど…合っているんじゃないかな?と(微笑)



HIROMI
それは高野さんの楽曲だから「楽しい」のですか?それとも「ギターリストとしてだけ」なので純粋に楽しいって感覚なんですか?



田中
両方ですね。

歌わなくていいって事はギターだけに集中でき、普段はヴォーカルをメインでやっていますから、役割が変わって「サイドマン」というか…全体を見ながら「アンサンブル」の中で自分の手でどう盛り上げていけるか?という全く違う脳の使い方…ベクトルが違うので楽しい。

あと、高野さんの楽曲の「クオリティーの高さ」と「品格がある」…非常に音楽的というのですかね?そういった曲に参加できるのは楽しいですね。

あとはまぁ…僕の曲を誰かにやって欲しいって感覚は余りないんですよね…。

ただ、どういう人にのちのちやって欲しいという「夢」の様なものは有って…



HIROMI
はい。



田中
…例えばなんですけど、僕は<氷川きよし>さんの歌が非常に好きで…



HIROMI
はい!(意外で驚き顔)



田中
ああいった「キチンと歌う人」ってなかなか少ないと思うんですよね。演歌の方って<八代>さんにしても<五木>さんにしても…

※…分かると思いますが、一応…八代亜紀さんと五木ひろしさんの事です。



HIROMI
はい。でも名字呼びって珍しいですよね(微笑)



田中
あの…<おふくろさんよ~>にしても(微笑)

※…僕の発言に付き合ってくれました。森進一さんの事ですね。



HIROMI
ギャハハ(大笑)



田中
やっぱり皆さん、あの方達の歌声自体に感動するんですよね。NHKの「ふたりのビッグショー」なんかを偶然見ると、歌に迫力が有るんですよね!!

演歌の方達はやっぱり「実力」がお有りじゃないですか?

まぁ、そういった大御所の方達は「及びつかない」ので…



HIROMI
世代的にも確かに…



田中
<氷川きよし>さんに僕が曲を創って、歌って貰えたら嬉しいんですけどね。



HIROMI
そういったジャンルとかでは無く、確かに演歌の方達って言葉一つ一つをハッキリと真っ直ぐに表現する人達じゃないですか?

特に<氷川きよし>さんは滑舌が良いって言うとちょっと変ですけど、誰が聴いても歌詞をハッキリ分かる人だと思うんですよね。



田中
うんうん。



HIROMI
でも、あの世界ってロックと違った「独特のヴィブラート歌唱法」が有りますよね?

アレを踏まえた上で聴いてみたいのですか?それとも演歌要素を取ってシンガーとして聴いてみたいのですか?



田中
わりと僕自身は「ヴィブラート系」ですからね。

「ノン・ヴィブラート」で歌っていた時期も有るし、今でもわざとそう歌う時も有ります。

基本的には<大滝詠一さん直系>なんで、過剰なヴィブラートをかけて歌うんで…なんていうのだろう…演歌というか「流行歌」が僕は好きなんですよ。



※…大滝詠一さんはあの<はっぴいえんど>のメンバーでも有り、その後の日本のポップシーンの基盤を創ったような巨匠です。
※…流行歌とは、まだ海外の音楽の影響が無い昭和初期~30年代初頭ごろの日本で定着していた音楽の名称です。





HIROMI
僕の中で<MAMALAID RAG>のヴィブラートって、他とは違って聴こえるんですよね。

分かって貰えるか自信が無いですけど、普通のヴィブラートって声の太いラインが有るとしたら、その太いラインの中で、細い線が波打つ感じなんですね。



田中
はい。



HIROMI
でも<MAMALAID RAG>のヴィルラートは、その声の太いライン自体が上下太くなったり細くなったりと、全体として波打つ…変動する感じなんです。技術を超えた境域な感じがするんですよ。

声にだしてみると『あ~あ~あ~』では無く、『あぁあぁあぁ』って感じなんですよね(微笑)

その倍音に近い音感が凄い気持ち良くさせてくれるんです。



田中
う~ん…僕は完全に大滝さんの歌い方をコピーしましたから。



HIROMI
昔に?



田中
はい、高校の時に影響を受けて。その影響ですね。

つまり高校の時に悩んだんですね。ずっと洋楽しか聴いてこなかった人間だったんで、日本語で曲を創ると、どうしてもダサクて…



HIROMI
フフフ(微笑)



田中
『やってられない!』っていう。何曲かは英語で創ろうとしたんですけど、英語のネイティヴな知識は無いので「説得力に欠ける」って。そういう時に<はっぴいえんど>を聴いて…そこでビックリしたんですね。

歴史を紐解くと1970年にそういった事に葛藤した人達がいて、見事に成し遂げた!ってのが<はっぴいえんど>なんですけど。それを知らずに自分の中で葛藤している時に答えを見せてくれた感じだったんですね。

『あっ!!何だ、此処に答えが有るじゃないか!』って。



HIROMI
それって僕はミュージシャンじゃないので、成し遂げた事に対しては歴史上/誌面上で先ずは得てしまう訳じゃないですか。

音楽を沢山聴いていると必ず起こる先入観ってやつですね。

けっしてそれが悪い訳ではないですが、危険性も多々有ります。



田中
はい、そうですね。



HIROMI
で、ミュージシャン側からすると、サウンド/楽曲を聴いただけでその「成し遂げた」ってのは、明確に分かるんですか?答えがハッキリと出ているんですか?



田中
そうです。聴いた時点でそう感じましたね。

たまたま父親がカーステレオで流していたんですけど、僕はもう…日本人が歌っている/日本語で歌っている音楽ってのは、その当時「完全に否定」していたんで、

もっと言ったら馬鹿にしていたので(苦笑…この部分の田中さんの笑っているのは当時の自分自身に対してだと思います)、欧米が優勢でアジア圏は劣勢…洋楽を音楽というって考え方だったので。その時に<はっぴいえんど>を聴いて、一瞬で『これは違う!』って感じましたよね。

それから色々と(邦楽に)入り込んできましたけどね。

ヴォーカルに関しては<大滝詠一>さんの日本語の発音の仕方とヴィブラート。『あぁ、これでだいぶ日本語も“歌らしく”なるんだな!』と気付きましたね。「ダサく聴こえずに美しく日本語を聴かせるやり方」を教えて貰った様な気がして…。それから曲が創れる様になったんですよね。



HIROMI
分かりました。

僕はラジオやイベントで<MAMALAID RAG>の音楽を流していて、若い世代だとまだ知らない人達がいると感じるし。

十代なんて特にそうですよね…田中さんが先程おっしゃった<大滝詠一>さんを聴いた時のリアクションと同じ感覚で、<MAMALAID RAG>を体感していると思うんですね。

『この歌声/ギター/楽曲はいったい何なんだ?』って(微笑)

音楽の知識が無くとも『何かが凄い!』って分かる「耳の感触」っていうんですかね。

現在はバンド形態ではないので、地方でのライヴも少なくなっていると思います。単独はともかく、バンドスタイルだと「東京中心」の展開だと。

僕も含めてファンの皆さんは、その状態に対して「困っている」し「怒っている」とも思います。

『オラが街に来てくれよ~』って、声に出して言うだけなら簡単ですけどね。まぁそれが昔と違う「現在のファンの在り方」なんでしょうけど。(微笑)

単独の弾き語りでもバンド形式でもやっぱり新潟(地方)にも来て欲しいと願っています。

東京でしかしないなら勿論、東京に来ますけどね。

でも不景気の現代、其処までの色んな面での「体力が無い方」も多い筈です。

僕は勿論自分の主催するイベントで観る時と,他のライヴは違って観えますので、同じ感動でも「違うレベル」になります。

僕は今年<COLOUR SCENE>のゲストとして実現出来たら良いなと思っているのですが…それってどうなんですかね?他の県の方も思っている人は多いと思います。



田中
そうですね。今年(2010年)も札幌の音楽好きの方が企画したイベントに行きましたけど、楽しくライヴ出来ましたし、とても良いイベントでした。



HIROMI
ギター1本持って行く感じなんですか?



田中
そうです。



HIROMI
その時はアコギなんですか?



田中
そうです。アコギと足で践むとピックアップが付いていて「ドンドン♪」と鳴る様な楽器が有るので…<ストンプボックス>っていう楽器なんですけど。弾き語りの人がよく使っていますね。



HIROMI
エレキでもやるときは?



田中
いや、エレキでは無いですね。



HIROMI
難しいからですか?



田中
う~ん…曲の問題ですけどね。僕の曲のスタイルが1人でやる時はアコースティックでした方が良いのかな。



HIROMI
分かりました。今日は凄いロングインタビューになってしまいましたが、それでは最後に本日のインタビューの感想を、僕の今後の参考までにお聞きしても宜しいでしょうか?


田中
(微笑)僕はこう見えても芸歴が長いんで…18歳の時から数限りなくラジオや雑誌等のインタビューを受けていますが、僕は浅い質問をされると退屈しちゃうんですよ(微笑)。

ですが、今日みたいに深く掘り下げてゆっくりと聞いて頂けて…答える方も楽しくないとなかなか言葉が出てこなかったりするんで、今日は楽しく喋れて本当に良かったなと思います。

有難うございました。



HIROMI
こちらこそ有り難うございました。



どうだったでしょうか?何とまたもやニュースが入りまして、2011年の夏には4枚目のアルバムがリリース予定らしいです!!その時こそ新潟でのライヴを実現出来たら嬉しいなぁと思います。

それまでは既に発売しているライヴCD/DVDを是非、体感して欲しいです。

木綿の様な美しく強い歌声やサウンドが夢心地にさせてくれるでしょう。

此処まで完璧に持っている人って少ないですよね。音楽性のニュアンスは違えど<浅井健一>さんと同じ凄さを感じさせてくれます。実際にインタビュー中も同じ様な「緊張感」でしたからね(微笑)

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